スリランカの古〜い婚姻権・相続条例の和訳

スリランカの古〜い婚姻権・相続条例の和訳のご注文をいただきました。これは英国植民地時代に発令された、ローマンダッチ法に基づいた条例で、条文の半分はその後廃止されています。作業していて特に興味深かった2点をご紹介。
(1) 結婚した女性が自分の不動産を売ったり譲ったりするには夫の同意が必要です。しかし「夫が刑務所に留置されている、居処が不明、健常な精神を持ち合わせていないか馬鹿者である(a person of unsound mind or idiot!)場合、両者同意のうえ別居している場合は同意不要の申し立てをすることができる。」当時の女性の苦労が偲ばれます。
(2) 婚姻権の条文の最後に皇帝チャールズ5世が登場!「婚姻生活に関連する1540年10月4日付けの皇帝チャールズ5世の勅令6条がスリランカで運用できるかどうか疑問がもたれたため、スリランカでは同条文は効力を持たず、運用されないことがここに制定された。」は?皇帝チャールズ5世ってどこの?(←世界史をすっかり忘れている私)ローマ帝国のようですね・・。勉強になりました!
条文に興味のある方はこちら

http://hrlibrary.umn.edu/research/srilanka/statutes/Matrimonial_Rights_and_Inheritance_Ordinance.pdf?fbclid=IwAR2OJAaE678wN4Zo79Y8rQYEJMHUiCValJKa0UskT7R6N4cAJIZLfC7oiHs